仕事が休みの日には、なんだかんだと色々と所用があるもので、
家内と共に時間に追われながら一つ一つ用事を片づけていきます。
そして、ポッカリと時間が空いたときにいつもの妻のひと言。
「神社でも行ってみる??」
『かしこまりました!』 と私。
で、この日は『東霧島神社』。「つまきりしまじんじゃ」と読みます。
この神社も「霧島六社権現」のひとつ。
霧島六社権現
霧島東神社(霧島東御在所両所権現)
霧島岑神社(霧島山中央六所権現)
霧島神宮(西御在所霧島六社権現)
東霧島神社(東霧島権現)
狭野神社(狭野大権現)
夷守神社(夷守六所権現)
建国の祖とされる伊弉諾尊(イザナギのミコト)が主祭神であり、
山上の聖地につながる東門として君臨しています。
まずは、大きく厳かな鳥居をくぐり、
拝殿へと上ります。
この階段、上りづらいのなんの・・・。
実はこの階段、知る人ぞ知る伝説の階段『鬼岩階段』なんです。
また、『振り向かずの坂』とも呼ばれており、願い事を唱えながら後ろを振り向くことなく
登り切るとその願いが叶うといわれています。
『鬼岩階段伝説』 〔参照:ひむか神話街道〕
昔むかし、霧島山のふもとの村に、全身が真っ赤、目も真っ赤、もじゃもじゃの髪の毛の間からは、これまた真っ赤な二本の角がニョキと生えた悪鬼が住んでいました。悪鬼はみんながいっしょうけんめいに育てた米や野菜やニワトリを盗み、村人たちをたいそう困(こま)らせていました。
ところで、この村には長い黒髪をうしろでたばねた、色白のほっそりとした、それはそれはたいそう美しい娘がいました。こともあろうに、あの赤い悪鬼はその娘を気にいり、「俺の嫁(よめ)さんにくれ」と娘の家に何度もお願いに行きました。
すると娘の父親から、「おまえは、悪いことばかりしているから娘はやらん!」
と言われたものだから、鬼は赤い顔がますます真っ赤になり、村の田んぼや畑をめちゃくちゃにしてしまいました。困った村人たちは、みんなで相談をして、村の守り神に
「悪い鬼を何とかしてください」とお願いごとをしたのです。すると、ある晩、神さまがあらわれて鬼に告げました。
「お前が望みをかなえたいなら、これまでのつぐないをしなさい。それには今晩のうちに千個の石を使って百段の石段を積むのだ。一番鶏(どり)が鳴く前にそれをやってのけたら、あの娘をお前の嫁にしてやろう。もし、百段積めなかったら、この村からすぐ出ていくがよい」ある日のこと、夜になったかと思うと、赤鬼はさっそく千個の石をせっせと積み始めました。赤鬼はすごい力持ちだったので、あっと言う間に石を積みあげていきます。これを見た神さまは困ってしまいました。そして、考えた末に東の空をちょっぴり明るくしました。
「コッケコッコー!コッケコッコー!」
一番鶏の鳴き声を聞いて、びっくりしたのは赤鬼です。九百九十九個の石を積み上げ、あと一個で完成というときに夜が明けてしまったのです。赤鬼はがっかりして、山の奥のそのまたずっと奥に入って、二度と出てこなくなったそうです。
宮崎県には、このような神話・伝説がたくさんあるのです。
では、お参りも終えたところで階段を下ります。すると、案内板。
『神石』の由来
要約しますと、
「天地創造の神、イザナギの尊とイザナミの尊が誕生され、そののち夫婦となった二人の神様。
『火の神』をお生みになられたことにより、妻イザナミの尊はこの世を去られます。
イザナギの尊は嘆き悲しみ涙を流します。恋い慕う悲しみの涙が、いずれ凝り固まったのが
この『神石』と言われています。
これが、その『神石』
そして、今後再びこのような悲しみ・災難に世人が遭わないように…との深い祈りを込めて、
イザナギの尊は『十握の剣』で悲しみの涙で固まった石を三段に切ったといいます。
私には、二つに切れているようにしか見えませんでした・・・。(-_-;)
そして、すぐそばに、
樹齢千年と言われる「招福大楠」。
太い根(?)が大地から伸び上がり、人ひとり悠々と入れるほどの空間ができています。
スゴイですよ! 木の力、自然の力は!!
十分に満喫した私たちは、これで帰ることにします。
今回の東霧島神社で、「霧島六社権現」の二社目になります。
こうなると、「六社」制覇したくなる私・・・。
次は『狭野神社』を訪問してみよっかなーーー。
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