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宮崎県在住の私が、休みの日を利用して日帰りで城巡りをしようと思うと、どうしても「日向」「薩摩」の城、または城跡が中心となってしまいます。
そして、この地域の城巡りをしていると、やたらと目にする（耳にする）のが、
『庄内の乱』の文字。
「庄内の乱」とは、慶長4年（1599年）島津氏とその重臣・伊集院氏との間で起こった島津家中での最大の内乱です。この内乱は、関ヶ原の合戦直前であったため、島津氏が関ヶ原の合戦に十分な軍勢を送れなかった原因にもなっています。
では、「庄内の乱」が起こった原因と経緯はどのようなものであったのか…。
当時、島津義久の筆頭家老である伊集院忠棟は、島津氏が九州内での勢力を拡大する際に多大なる功績をあげています。また、豊臣秀吉の九州征伐時には、豊臣軍との戦力の差を訴え、早期での降伏を申し出ています。
島津氏降伏の後、伊集院忠棟は島津氏の存続のために大いに貢献します。
その経過を知ることとなった秀吉から、伊集院氏は朱印をもって「都城8万石」を拝領されることになりました。
その後も、秀吉からの直接の命令によって多く用いられることになる伊集院忠棟。
家中の嫉妬と不満は大きくなるばかりで、島津氏宗家を乗っ取ろうとしている、というような風評までも広がり始めます。
一方、島津宗家の後継者である島津忠恒は、「島津氏宗家の後継時のいきさつ」や「朝鮮出兵時の補給に関する不満」などで伊集院忠棟を快くは思っていません。
そこで忠恒は、島津義久、義弘の留守中に伊集院忠棟を斬殺するに至るのです。
慶長4年3月のことでした。
忠棟の嫡子・伊集院忠真は、父・忠棟の斬殺による死を知らされます。一族や家臣との話し合いの中、意見は真っ二つに分かれるものの、結局は「徹底抗戦」と決議し島津氏宗家に対して反旗を翻すことになります。
伊集院忠真は、都之城を本城とし、恒吉城、梅北城、志和池城、梶山城、勝岡城、山之口城、月山日向城、安永城、野々美谷城、末吉城、山田城、財部城の12の外城に家臣を配置し守りを固めます。
島津忠恒の庄内攻めが始まります。
山田城、恒吉城は落ちたものの、その後は膠着状態となり戦いは長引きます。
慶長5年2月、徳川家康による調停を受け入れざるを得ない伊集院忠真は降伏。
降伏後の伊集院忠真は減封され、都城には旧領主・北郷氏が復帰し乱は終結。
庄内の乱が終結した後、伊集院忠真は肥後・加藤清正に仇討ちの応援を要請するものの失敗。そして慶長7年8月、島津忠恒は江戸への上洛に際して伊集院忠真に同行することを命じます。その途中、日向国野尻で狩りを催した島津忠恒は、伊集院忠真を射殺。誤射として片づけられましたが計画的な暗殺だったのです。
その後、伊集院忠真の母と弟3人も殺され、伊集院氏は滅亡に至った、という話。
このような話を見聞きしたからには、まずは「都之城」に行かねばなりません。
もちろん、「12の外城」にも！！
ということで、「都之城」に到着。かなり広大な敷地の城山公園になっています。
まずは、大手門へと向かいます。
あくまでも「模擬」の大手門だそうです。
そして、ここからが本丸へと上る道。
真っすぐと歩き、右側の曲輪に行くと、
『西城』に出ます。
そして、左の曲輪に行くと、
『本丸跡』への入り口。 きれいに整備されています。 そして、案内板。
『市指定文化財 都之城址』
そして、立派なお城。
ただし、「城郭風 歴史資料館」ですね。
そして、
『建物跡』の案内碑。
「物見櫓」らしいです。
そして最後に、本丸跡の広い敷地と建物を写真に収めて帰ることにします。
「庄内の乱」のおどろおどろしい話から、勝手な想像・妄想を膨らませて都之城を訪れた私でしたので、あまりにも美しい城跡（城山公園）に正直拍子抜けした感があります。天守が残っておらず、ただ少々の石垣や土塁、空堀跡などの遺構が雑然と残っている城跡のほうが、当時に思いを馳せることができるのでしょうね。
ところで、最後に誤解無きよう記しておきます。
「都之城」は島津氏分家の北郷氏が築城した城であり、都城といえば島津氏、北郷氏、というのが地元での通説になっているほどです。しかしながら、今回のブログでは『庄内の乱』を切り口としましたので「伊集院氏 本城」としています。ご理解下さいませ。
腹水・胸水・腎臓病専門 漢方カウンセラー西山の『薬匠堂 歴史探訪記』
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