このサイトは『漢方理論』による炎症性腸疾患(IBD)対策の捉え方をご紹介するサイトです。

IBD

炎症性腸疾患(IBD)

炎症性腸疾患(IBD)を根本改善する必須条件

一般的にはあまり知られていない『炎症性腸疾患(IBD)』ですが、愛犬や愛猫はもちろん飼い主様にとっても非常に辛く厄介なのが、この『炎症性腸疾患(IBD)』です。今までは見過ごされがちな病気でしたが、現在は医学の進歩もあり『炎症性腸疾患(IBD)』と診断されるケースも増えているようです。

実際に当店でも年々相談が増えてきていますが、病院の治療やサプリメントを続けてもなかなか良好な結果が得られず、『ずっとこの病気と付き合っていくしかない…』と悩まれている方が多いと感じます。病院でも『完治はしない』と言われますが、それは西洋医学では症状を抑える対症療法がベースだからです。

人間の炎症性腸疾患を漢方対策する場合も、現在の症状や原因に合った対策をすれば高い確率で改善に向かいます。症状を抑えるだけでなく、根本的な部分を見つめ直して、改善に導いてあげることが大事なのです。まだまだ遅くありませんので、まずは一度ご相談ください。

こんな症状ありませんか?

炎症性腸疾患(IBD)は簡単にいうと、慢性的に胃や小腸、大腸などの消化管に炎症を起こす病気です。

【一般的な症状】

  • 嘔吐が続く
  • 下痢が続く
  • 軟便が続く
  • 食欲低下
  • 体重減少

代表的な症状は下痢や嘔吐です。異物の誤飲などでも嘔吐はありますが、症状が続くような場合は注意が必要です。また、症状が悪化した場合は命に関わる危険性もあるのでおかしいと思ったらすぐに対応してあげましょう。

【重症化した症状】

  • 急激な体重減少
  • 食欲はあるのに体重が減る
  • 腹水が溜まり始める

炎症性腸疾患(IBD)の症状が悪化すると、蛋白漏出性腸症を示す可能性があります。蛋白漏出性腸症になると消化管粘膜から血漿蛋白が大量に漏出するため、低タンパク血症引き起こします。そうなると急な体重減少や腹水が溜まるようになるなど、命の危険が高まりますので、早急な対策が必要になります。

病院での検査や治療

炎症性腸疾患は確定診断が難しい病気です。血液検査にはある程度症状が進行しないと異常が現れず、エコーやレントゲンでも確定診断には至りません。

≪≪症状や検査での確定診断≫≫

  • 3週間以上、下痢などの消化器症状が続いているか
  • IBD以外の消化器疾患が除外されているか
  • 内視鏡検査で炎症細胞の浸潤が確認されているか

以上のような診断を踏まえて炎症性腸疾患(IBD)と診断されます。

≪≪病院での治療≫≫

病院での治療は療法食や抗生剤、ステロイド剤が中心となります。ステロイドなどでも効果が出ない場合は免疫抑制剤が追加される場合が多いようです。

炎症性腸疾患(IBD)を改善するための3つのSTEP

STEP①『炎症性腸疾患(IBD)を発症した原因を把握する』

炎症性腸疾患(IBD)は、過剰な食物抗原に対する免疫反応や腸管免疫調節の異常など、いわゆる『免疫システムの異常』によって発症すると考えられています。
どういった要因で免疫システムが乱れてしまったのか把握することで、対策方法も見えてきます。

  • 住環境の変化はなかったか?
  • 食生活の変化はなかったか?
  • 家族構成の変化はなかったか?
  • 元々、神経質な性格なのか?
  • ストレスに感じるような出来事はなかったか?

STEP②『現在の症状がどうなのか細かく把握する』

その子に合った対策をする場合、現在の症状を細かく把握することで的確な対策をすることが出来ます。その子によって症状の違いや症状の度合いも様残ですので、しっかりと把握する必要があります。

  • 3週間以上、下痢が続いているか?
  • 嘔吐はあるか?
  • 下血はあるか?
  • 食欲や元気度合いは?
  • 体重減少はないか?
  • 食べてるのに痩せていないか?
  • 急激に痩せていないか?
  • お腹がポッコリしていないか?

STEP③『血液データで身体の状態を把握する』

出ている症状を把握すると同時に、血液データで現在の状況を把握するという事も重要なステップです。ある程度重症化しないとデータに現れない部分もありますが、逆にいうとそれだけでも、軽症~重症を客観的に判断することが出来るのです。重症になると数値には現れてきますので、細かく把握することで対策するポイントが明確になります。

【血液データ一例】

  • CRP上昇による炎症度合いの確認
  • TP低下による栄養状態の確認
  • ALB低下による腹水状態の確認

※その他にも細かくデータは確認します

炎症性腸疾患(IBD)における漢方対策ポイント

人間の炎症性腸疾患を対策する場合、現在の症状や体調、血液データなどを細かく把握することで漢方での対策ポイントも組み立てることが出来ます。漢方で対策する場合は根本的な要因と現在出ている症状を同時対策することで、今ある症状も改善しながら、繰り返し症状が起きないような体づくりを手助けします。

漢方対策①『根本的要因【免疫環境を整える】対策』

前述したように、炎症性腸疾患(IBD)は免疫システムの乱れが根本的な要因とされています。血液データの内容、元々アレルギー体質なのか等の状況をしっかり把握して、その子に必要な免疫対策を行います。

  • 過剰な免疫反応を抑える
    リンパ球や好中球などの免疫細胞のバランスが乱れると、過剰な免疫反応が起き炎症が強くなってしまいます。しっかりと免疫細胞のバランスを整える事で、あるべき姿に戻していきます。
  • 『糖鎖栄養素』を駆使し、細胞間コミュニケーションの正常化
    免疫システムが乱れるという事は、『自己』と『非自己』の区別が出来なくなり自分自身を攻撃してしまう状態です。この糖鎖栄養素を補給することで、細胞同士のコミュニケーションを正常に保ち、自分自身を攻撃しないように促します。

漢方対策②『ペットが抱える【症状を改善する】対策』

炎症性腸疾患(IBD)を発症した場合、症状の種類や、症状の度合いも様々です。その子が抱える症状を的確に把握し、症状改善を促します。

  • 下痢や下血の改善
    下痢が続くことによって、脱水状態に陥り更なる体調悪化を招く恐れがあります。
    下血なども含めて状態に応じた対策を講じていきます。
  • 胃腸機能の向上
    炎症性腸疾患を発症すると、胃腸機能も衰え栄養の吸収力なども低下していきます。
    しっかりと胃腸機能の働きを向上するように対策していきます。

漢方対策③『重症化した場合の【腹水を改善する】対策』

炎症性腸疾患(IBD)が重症化した場合、『腹水』が溜まり始める可能性があります。こうなると命の危険性も高まりますので、より細かく対策する必要があります。

  • 栄養補給
    蛋白が漏出するような状態になると、途端に腹水も溜まりやすくなってしまいます。血液データを確認しながら、必要に応じて対策します。
  • 水分代謝の向上(利水)
    腹水は尿として排出しなければなりません。腹水の動きをよくしながら尿として出やすい環境を整えていきます。
  • 血流向上(活血)
    腹水を排出するには腎臓でろ過して尿として排出しなければなりません。肝臓や腎臓の働きを高めることで、腹水の最終的な排出を促します。
  • 炎症改善(清熱)
    重症化すればするほど炎症が強くなり、腹水もどんどん溜まりやすくなってしまいます。
    排出するだけでなく、腹水が溜まらない環境を作るために、徹底的に不要な炎症を排除します。

※漢方での対策方法は、ご相談頂いた際に詳しくご説明させて頂きますので、お気軽にご相談ください。

飼い主様から多い質問

薬匠堂では多くの飼い主様からご相談を頂いておりますが、その中でも多い質問がございますので参考にしてください。

質問①『直接お店に行けなくても相談は出来ますか?』

現在の治療内容や使用中の薬、現在の体調・症状、血液データが細かく分かれば、電話やメールでの相談でも全く問題ございません。ただし、5分10分での相談は不可能ですので、ある程度時間の余裕のある時にご相談ください。

質問②『血液データがなくても対策出来ますか?』

血液データがあると、より詳しく状況が把握できるため細かい対応が可能になります。
ただ、血液データがなくても、現在の諸症状・諸状況を細かく把握することで必要最低限の対策はアドバイス出来ます。

質問③『原因が分かっていなくても対策出来ますか?』

もし炎症性腸疾患と診断されていなくても、現在出ている症状を改善する為の対策は可能です。ただし、確定診断されている方が根本的な対策をアドバイス出来ます。

質問④『生活の中で気を付けることはありますか?』

なるべくストレスのかからない環境を整えてあげるという事はもちろん大事ですが、食事の内容なども気を付けてあげましょう。

  • 低脂肪タイプの療法食
    腸を刺激しないように、基本的には消化しやすい食事を心がける。
  • 低アレルギー食
    食べ物の中の蛋白質に対する、アレルギーがる場合は低アレルギー食を用いる。

IBD漢方対策のアドバイスを実践された方の症例

【症例①】1カ月で愛犬の症状が改善 ※血液データあり

愛犬のIBD(炎症性腸疾患)対策の経過報告です。漢方理論上の対策方法をアドバイスして実践された結果のご報告を頂きました。1カ月の対策で症が改善し、血液データ上の改善も見られました。簡単にご紹介させて頂きます。

≪愛犬情報≫
■犬種:ミニチュアダックスフンド
■性別:男の子
■年齢:8歳
■体重:4.5kg

≪今までの経過・病院での治療内容≫
今年の1月から下痢が続き、病院で蛋白漏出性腸症と診断される。今は下痢は治まっているが、腹水が溜まっている。腸の動きもよくないようで、貧血もあるとの事。

現在は一週間に1回穿刺して400~700cc抜いている。

≪血液データ:相談時≫
■WBC:40.36H
■LYM:1.48
■NEU:93.6%H
■RBC:306
■Hgb:20.0
■TP:5.7
■ALB:2.2
■CRP:2.8

≪体調≫
■排尿:健康な時よりは量が少ない
■排便:食事量が減っているため、少ない
■食欲:腹水が溜まり始めてから食欲減少
■水分:ちゃんと飲む
■体力も以前よりは落ちている

≪漢方使用後1カ月≫
お腹が張っているので病院で検査したところ、腹水はそこまで増えていなかった。今までは一週間に1回は抜かなければいけなかったが、間隔が延びている。腸の動きもよくなっているようで、食欲も増している。

■WBC:18.86←40.36
■NEU:88%←93.6%
■RBC:497←306
■Hgb:11.7←20.0
■TP:6.2←5.7
■ALB:2.7←2.2

≪漢方使用後2カ月≫
血液データはステロイドの影響で高い数値もあるが、先生も良くなっていると驚かれている。とても元気があり、体重も戻りつつある。便の状態も良好で、食欲も旺盛。一番懸念していた腹水も全く溜まっていなかった。

■WBC:11.65←18.86←40.36
■NEU:86%←88%←93.6%
■RBC:615←497←306
■Hgb:14.2←11.7←20.0
■TP:6.9←6.2←5.7
■ALB:3.0←2.7←2.2

IBDの漢方対策法をアドバイスして実践されておりますが、1カ月の対策で効果を実感され、飼い主様もドクターも驚かれているようでした。排尿・排便の状況や食欲などの体調も良くなり、一番懸念していた腹水もしっかりと改善できた症例です。

血液検査数値も症状の改善に比例して、分かりやすく変化が出ていました。今後も細かくアドバイスしながら、更なる改善を目指して頑張っていきたいと思います。

【症例②】15日で愛犬の腹水が改善 ※血液データあり

IBD(炎症性腸疾患)から『蛋白漏出性腸症』に進行した愛犬の経過報告です。漢方理論上の対策方法をアドバイスして実践された結果のご報告を頂きました。15日間で顕著な効果が得られましたので、簡単にご紹介させて頂きます。

≪愛犬情報≫
■犬種:ミニチュアダックスフンド
■性別:男の子
■年齢:19歳
■体重:5kg

≪今までの経過・病院での治療内容≫
今年の5月に入り食欲低下。病院では暑さのせいではないかと言われ、フードを変更。途中で血便などもあったが問題ないという判断。次第にお腹が大きくなり、お腹がパンパンに張った状態になる。

病院で蛋白漏出性腸症と診断される。

≪血液データ:相談時≫
■WBC:149
■LYM:8
■NEU:138
■RBC:739
■Hgb:16.5
■TP:3.4
■ALB:1.1

≪体調≫
■排尿:普通
■排便:2回/day
■食欲:食欲低下状態が続いている
■水分:以前より飲む量が少なくなった
■体力も落ちている

≪対策後一週間≫
お腹の張りが若干柔らかくなってきたような気がする。

≪対策後15日≫
腹水がほとんどなくなった。腹水がなくなりはじめると同時に食欲が少しずつ出てきた。体の動きもよくなっている。

≪対策後30日≫
腹水がなくなった状態をしっかりキープできている。血液検査をしたところ非常に良くなっており、先生も驚かれていた。

■WBC:99←149
■NEU:82←138
■TP:6.3←3.4
■ALB:3.3←1.1

≪漢方使用後2カ月≫
その後は血液検査はしていないが、状態は非常に安定している。腹水は溜まらずに、食欲も旺盛になり体重も増えてきた。ずっとコロコロしていた便も今は普通便に戻っている。先生もこれなら大丈夫だろうという事で、ステロイドの量を半量に減量。

※現在も段階的に減量しながら対策中。体調はずっと変わらずに安定しているとの事。

IBDの漢方対策法をアドバイスして実践されておりますが、対策を開始されてから、かなり早い段階で効果が出始めました。腹水の改善も早く、それまでの状態からすると驚きの変化です。ワンちゃんの元々の生命力も強かったのでしょうが、飼い主様の熱意など上手くかみあって現れた結果だと思います。

今後も細かくアドバイスしながら、元の状態を目指して頑張っていきたいと思います。


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