「血流の悪化」「血液の質の悪化」などを必ず生じているような慢性疾患である
『腎臓病(腎不全・腎炎)』『肝臓病(肝硬変・肝炎)』 には、
私が大好きな生薬のひとつ「田七人参末」を多く用いています。
田七人参末の作用を簡単にご紹介いたします。
作用その①・・・「血流向上」と「止血」(腎臓・肝臓への効用)
まず第一の特徴は、「瘀血(おけつ)」を改善し、血液の流れを改善する「活血作用」
を持っていることです。
(ちなみに、「瘀血(おけつ)」とは、ドロドロした粘度の高い血液のことをいい、
様々な慢性疾患(生活習慣病)の原因となる悪い血液のことです。)
肝臓病・腎臓病・癌の場合など、または、内出血して溜まっている血液(瘀血)を
流動性の血液に変えることで、血流を停滞させないように働きます。
よって、各種慢性疾患(血流悪化の体質)には不可欠となるものです。
また、出血したときには、血小板の凝集を高めることで、速やかに止血する
ことも田七人参の特徴の1つです。
文献を見てみると 『田七人参末を傷口に振りかければいい』
と記したものもあります。
他の文献では 『血を止めるだけでなく、痛みを止める効果がある』
としたものもあります。
これらの止血効果、止痛効果は、外傷だけでなく 「腸内出血」や「下血」などの
体内の症状に対しても有効です。
「活血」と「止血」という相反する力が
1つの生薬に存在することが、この田七人参末の特徴であり強みなのです。