陰と陽
陰陽とは、自然界全体を陰と陽の二つに分離して考えることで理解しようとすることです。
そして、陰と陽のバランスが保たれて世界は動いていると考えます。
例えば昼は陽、夜は陰、男性は陽、女性は陰であるとします。
私たちは皆、この「陰陽」を生活の中でも常に使っています。例えば人の性格でも「陰気な人」「陽気な人」という表現をしています。
このイメージの通りなのですが、「陰」は静かで内にあり暗く重く寒いイメージがあります。
また「陽」は活動的で外にあり明るく軽く温かいイメージがあります。
この陰陽を医学に応用したのが東洋医学です。
しかし、これらの「陽」が良くて、「陰」が悪いという訳ではありません。陰も陽も両方とも重要な意味があります。
身体に熱を生じたときは、身体を冷やすために「陰」の働きが活発になり、また身体が冷えているときは、身体を温めるために「陽」の働きが活発になります。ですから、陰と陽のどちらも重要な働きがあり、一方だけではバランスが取れないのです。
特徴的な症状を「陰陽」で判断すると、頭や顔などの上半身は比較的「熱症状」が多く現れ、下半身や足元などは比較的「冷え症状」が現れやすいところです。これは上半身が「陽」の性質が強く、下半身は「陰」の性質が強いことを意味します。このように「陽」は上昇し、「陰」は下降するという性質を持っています。
ただ、この「陰陽」は、上方が陽で下方が陰と決まっているものではなく、一方を「陽」とすると相対的に他方を「陰」と捉えます。
つまり、「陰陽」というのは相対的に変化し、互いに制約しあっているものなのです。
こうして「陰陽」はお互いに依存しあってバランスをとっているのです。中医学では「陰陽」のバランスが崩れた状態を病気とみています。
漢方薬はこの陰陽のバランスを正常にするように処方されるのです。