表と裏
「表」と「裏」とは文字通り、体内を「表(体表)」と「裏(内臓)」に分けた表現です。
「証」をとるときにはまず、病症が「表」にあるか「裏」にあるかを判断します。
「表証」とは文字通りに「邪(じゃ)」が体の表面に存在している状態を指します。体の表面とは皮膚や口鼻などのことです。
体表では細菌やウイルスなどの侵入を防ぐために働いており、体表で病気との戦いが始まると発熱や悪寒、頭痛などが現れます。
風邪や蕁麻疹など急性の症状であれば、まず「表証」であると考えていいでしょう。
対して、「裏証」は体の内部に病変が侵入している状態を指します。体表の防御機能がやられると病気は「裏」に入り、病態が複雑化して侵入した臓器によって様々な症状が現れます。
具体的には臓腑や気・血・水の病変とされ、慢性的な症状はほぼこの「裏証」であると考えて差し支えありません。