水湿・痰湿(水分過多・水の運行の失調)
水(津液)が停滞し過剰になると体が重くなり、むくみなどの症状が出てきます。これが「水湿・痰湿」と呼ばれる状態です。体に余分な体液があふれてしまったことにより生じるものです。
「水湿・痰湿」は簡単にいえば体の水分が溜まっている状態です。
中医学では、水液の代謝は五臓が互いに協調しあって維持されるとしますが、何らかの要因によりこれら臓器に異常が起こると、水液が停滞し「邪」に変化します。よって「水湿・痰湿」は二次的な病因とされます。
この邪によってもたらされる症状は、その性質から雨の日など湿気の多い日に悪化する傾向があります。
また、胃腸に影響を及ぼすことも多く、食欲や胃もたれなども引き起こしやすくなります。
≪水湿・痰湿の原因≫
■飲食の不摂生
■湿の邪気
■排尿困難
■臓腑機能低下による津液の代謝不良
■過労など
≪水湿・痰湿の症状≫
『水分過多の症状』『水流の停滞症状』
『“熱”症状と“寒”症状のどちらもある』
◆代謝が悪く不要な水分貯留
体が重だるい、胸苦しい、腹部膨満感、ムカムカ、吐き気、下痢、関節の腫れ、めまい、尿の出が悪い、むくみやすい
◆溜まった老廃物(水)を排出する際の症状
肌が脂性でニキビや吹き出物ができやすい、痰が多い、女性ではおりものが多い、肥満(または水太り)
◆生理時、妊娠時
むくみ、つわり
◆舌
痰~痰紅、苔はベトベトして厚い、熱タイプは黄苔、寒タイプは白苔
※『高脂血症・糖尿病・肥満症』になりやすいタイプ
血中コレステロール値、中性脂肪、体脂肪率が高い傾向にある