臓腑弁証
今までのブログで説明しましたように、『八鋼弁証』『気・血・水(津液)』を組み合わせていくことで、現状の体質を見極め、身体の不調の原因を探り、的確な漢方処方が可能となります。
そして、その他にも重要な点が、『五臓六腑』に異常がないか突き止める事です。ここでいう『五臓六腑』は、西洋医学でいうところの臓器ではありません。『五臓』と『六腑』はお互いにリンクされており、密接に関わりあっています。各臓器は個別に働いているのではなく、相互に依存しあったり影響しあったりしているという事です。
西洋医学では各臓器を個別にみようとしますが、人間は生命体なので各臓器が独りで勝手に働いていると考えるよりは身体全体で人間という生命体を動かしていると考えるほうが自然なのです。
『五臓六腑』のバランスを総合的に判断して「肝の血が不足している(肝血虚)から目が疲れる」、「肝の気が滞っている(肝欝気滞)からイライラする」と判断するのです。
これを「臓腑弁城(ぞうふべんしょう)」といいます。