「気」とは?
①気とは何か
「気」とは、中医学において『人体の生命活動の原動力』であると考えられています。人体の生命活動における『エネルギー』を指すといってもいいでしょう。
身体を温めて体温を維持する、免疫を高めて病気から身を守るのも気の働きなのです。呼吸をし、心臓の働きを促進し、血液を運行させ、体表を防御して、体温や発汗の調節をする働きなどは全て気によって行われています。
②気はどのように作られるのか
飲食物を脾胃で消化吸収して得られる「水穀の精気(精微)」、自然界から呼吸によって得られる「大気中の精気」、両親から授かった腎中に蔵されている「先天の精気」の3つが根源となり、それぞれが合わさって様々な『気』が作られています。
③気の働きとは
気には様々な作用がありますが、簡単にいうと『身体を守る免疫の役割』を担っています。ウイルスや細菌などに対抗してくれるのが気なのです。
また、『血流』や『水分代謝』を安定させながら、身体が冷えないように温めてくれているのが気の作用です。
≪推動作用≫
人体の成長、各臓腑の生理活動、血液の運行などを推動する作用です。推動作用が減退すると成長の遅れ、臓腑の機能低下、血液の停滞などの病変が現れます。
気によって「血」「水」は推し動かされている考えてよいでしょう。
≪温煦作用≫
全身や各組織を温める作用です。人体が正常な体温を維持できるのは気の温煦作用の調節を受けているからです。
温煦作用が減退すると低体温や四肢の冷えなどの病変が現れます。
≪固摂作用≫
血液が脈外に溢れないようにしたり、汗や尿が漏れないようにする作用です。
固摂作用が減退すると不正出血、多汗症、夜尿症などの病変が現れます。
≪気化作用≫
精・気・血・水の間の変化、いわゆる新陳代謝に関与する作用です。
気化作用が減退すると新陳代謝が低下します。